「だれもが愛しいチャンピオン」続き
少し前に観たこの映画、ブログは書いたのですが、
イマイチ、私が言いたいことが書ききれていなかった気がするので、
再度チャレンジしてみます。
ですが、やっぱり同じ内容になるかもしれません。
私が注目したのは主人公であるマルコです。
彼は最初、良くない言葉を使って社会奉仕を嫌がります。
ですが実際にチームに出会い、1からではなく0からコーチをしていきます。
何度も彼はコーチなんてできない、と言い訳をします。
その言い訳の理由は「彼らはバスケットができないから」なのです。
「知的障害者だから」ではないのです。
マルコはすごく自然に、バスケットができない人をコーチングできない、
と訴えておりました。
前回最も言いたかったのがこの部分です。
マルコが対”人”として、至極普通に接し、至極普通に困り、至極普通に怒る。
この部分が根本にあるので、この映画は面白いのだと私は考えます。
社会的な問題提起などが全くないとは言いませんが、
それよりも俳優同士の掛け合いだったり、周囲を気にしない行動だったり、
その方が面白いのです。
この映画はドキュメンタリーではありません。
演じているのは障害者の方々ですが、
オーディションを突破した俳優さんたちです。
その方たちが自分たちの個性というか、強味を利用して、
映画を面白くしています。
マルコがいい具合にツッコミ役になったり、あきれてみたり、
それでも憎めない友人というか、切れない絆というか。
それが映画の始めの方から表現されています。
「君はきっと彼らのことが好きになる」
マルコが最初にバスケチームの事務所に行ったときに
責任者に言われた言葉です。
そんなことは、という表情と態度をしていたマルコですが、
中盤くらいからはずっと彼らの虜になっておりました。
また虜になったのはマルコだけでなく、
スクリーンの前で笑っている私も虜になっておりました。
観る前はどうなんだろう、ブログに感想を書くのが難しいだろうな、
言葉を選んで書くことになるだろうか、
面白くてもいっそのこと書かないで、
自分の内側で納得していたらそれでいいんじゃないか。
なんてことまで考えておりました。
しかしそんな心配はまったくもって不要でした。
心の底から笑って、みなさんにぜひとも観てもらいたい、と。
単館系で大きく公開はしていない映画ですが、
ぜひともご覧いただければと思います。