気が小さい太めゲイなむらさき日記

割と周りに知られている気が小さい大柄なゲイです。そんな私の日常や気になったことや想いを。

#わたし昨日映画を観ました ~4日目「ミッドナイト・イン・パリ」~

 

 

 2011年 アメリカ映画 94分

 

バタバタして時間が作れなかったのですが久々に。

「パリ」って偏見や思い込みが多分にあるんですが、

オシャレなイメージがあります。素敵な街だと思います。

一度は行ってみたい、そんな街です。

 

結婚を控えているギルは婚約者とその両親と一緒に、

パリに旅行に来ています。

ギルは脚本家ですが、小説家になろうと処女小説に挑戦中。

そんなギルはパリが大好き。特に1920年代黄金時代に憧れています。

数多くの芸術家が愛したパリで繰り広げられる映画となります。

 

冒頭数分、素敵な音楽とともにパリの風景が流れるのですが、

これがまた素敵なのです。観光地というよりパリの日常というか。

なにもない日常風景がそのまま映画になっております。

 

印象的なのが夜のパリの街。

街頭に照らされ、石畳を歩く街の人々はやはり絵になります。

どれもこれも私がパリに抱いているイメージと同じだからなのかもしれません。

 

 

ここからネタバレ注意

 

 

 

 

ギルは酔っぱらってい街をふらふら歩いているうちに

ひょんなことからタイムスリップしてしまいます。

たどり着いたのは1920年代、そう彼が最も憧れる黄金時代。

ここでギルは自分が敬愛してやまない多くの偉人と出会います。

彼らが黄金時代に自由に生きている姿を見ていくことで、

ギルの中に人生を楽しみたい、やりたいことをやっていきたい!

という思いが強くなっていきます。

 

パリに着いた当初はあまり浮かない顔をしていたギルでした。

婚約者の友人とたまたま出会い、一緒にいろいろ回っても、

大して楽しそうではなく、うんざりとした顔だったのが、

タイムスリップを繰り返すことで晴れやかな表情になるのが印象的でした。

憧れていた時代で時間を過ごすことで、夢がかないそう、

自分のやりたいことができそう。そんな気持ちになっていくのが、

手に取るようにわかります。

 

しかしギルには結婚する、という現実が待っています。

この婚約者がギル側に立った私からすると、とても現実的で、

イヤな女のように思えてくるんですよね。

現実世界しか知らない彼女からしたら、

わけわからないことばっかり言うギルの方がイヤなんでしょうけど。

 

何かしらの責務から解放されるというか、

自分のやりたいようにやりたいことをやるってのは、

ものすごく気持ちいいんだろうな、と思います。

そのせいなのか、ギルは最終的には婚約を破棄して、

パリに住むことを宣言し、婚約者一家から離れていきます。

ギルの中では窮屈な仕事をして、窮屈な人生を過ごすということ、

それに我慢することに耐えられなかったのではないか、

自由に生きる1920年代の人たちを見ることで、その結論だったのかなと。

(婚約者がいけ好かない男と浮気してるってのも大きいけど)

 

物語の中で1920年代に知り合った女性と仲良くなるのですが、

彼女はさらに昔、1890年代に思いを寄せています。

ギルが1920年代を愛していたように。

そんな二人がパリの街を散歩していると目の前に馬車が、

そう、そのまま1890年代にタイムトリップします。

彼女が恋焦がれ憧れていた1890年代ベル・エポック

その目に映る景色と、その時代の偉人たちに彼女は心を奪われ、

この時代に残る、とギルに伝えるんですよね。

 

ギルは慌てて止めるのですが、結局彼女はそのまま

ベル・エポックに残り、ギルは1920年代を経過して現代に戻ります。

この違いはなんでしょう。

映画の中でギルは言っています。

「君はこの時代が好きかもしれないけど、この時代の人は

 もっと前の時代に憧れているかもしれないよ。例えばルネサンスの時代とか

 1920年代は魅力的だけど、この時代にはそう、抗生物質とかないし」

「え?意味わからない」

こんな会話をしてそのままサヨナラです。

 

ギルの夢、やりたいことは1920年代に残ることではなくて、

1920年代に想いを馳せながら、現代のパリの屋根裏に住み、

小説を書くことだったからでしょうか。

あくまでも1920年代は夢みて憧れる時代であり、

自分がそこでずっと過ごすことは考えていなかったのかもしれません。

「あの時代は良かったなぁ」はあの時代が戻ってこないから言えることであり、

あの時代が戻ってきたら戻ってきたで、また違う時代を懐かしむのかもしれません。

それにギルは気づき、現代も良いところはたくさんあるから、

きっと現代に戻る決断をしたのかもしれません。

なんだか取り留めがなくなってしまった。素敵な映画です。

歴史の知識が薄くても、きっと楽しめます。

 

 

個人的に良かったシーン

ダーリー!