気が小さい太めゲイなむらさき日記

割と周りに知られている気が小さい大柄なゲイです。そんな私の日常や気になったことや想いを。

あまりにも残酷な話

どうにか読み終わった本

今年始まったくらいに購入しカバンに入れたまま数か月、

ようやく読む気になってページをめくりだしたら

止まることなく、一日で読み切ってしまった本です。

 

神様ゲーム (講談社文庫)

神様ゲーム (講談社文庫)

  • 作者:麻耶 雄嵩
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: 文庫
 

 

神様ゲーム、200ページほどのそこまで厚くない話ですが、

なかなかに不思議さと残酷さが絡み合います。

主人公は小学生の芳雄。彼の視点で物語は進んでいきます。

最近芳雄の住むまちで”ネコ殺し”の事件が発生しています。

クラスメートの可愛がっているネコもその被害にあいました。

いつその対象がネコから他のモノになるか、と

まちの人々は恐れております。

 

という点から始まるお話です。

酷い事件から物語は始まり、そのあともさらなる悲劇が連なります。

お話としても解決したような、疑問が大きく残るような、

そんな不思議なお話です。

あまりにも芳雄に降りかかる現実が残酷であり、

また現実と真実が相違ないわけではなく、

何が現実で何が虚構なのかわからぬまま、

ただただ現実だけが彼に重くのしかかります。

 

いや、本当に混乱しているのは読み手のこちらだけであり、

芳雄は全てわかっているのかもしれません。

最後の、本当に最後の文章がそれを物語っていたように思えます。

だとすればなおさらに芳雄には闇のような暗く重たく冷たい

現実が襲い掛かってきているように思えます。

 

ページ数も少ない本ですが、心へのボリュームと、

先を知りたくなるお話ですので、ぜひとも読んでみてください。

少しだけ辛い気持ちになるかもしれません。