気が小さい太めゲイなむらさき日記

割と周りに知られている気が小さい大柄なゲイです。そんな私の日常や気になったことや想いを。

#わたし昨日映画を観ました ~2日目「And Then There Were None(そして誰もいなくなった)」~

And Then There Were None(そして誰もいなくなった

And Then There Were None - 1945

And Then There Were None - 1945

 

 1945年アメリカ映画 97分

 

10人のインディアンの男の子 食事に出かけた
 1人が咽喉を詰まらせて 9人が残った

9人のインディアンの男の子 夜更かしをした
 1人が朝寝坊をして 8人が残った

8人のインディアンの男の子 デヴォンに旅した
 1人がそこにとどまり 7人が残った

7人のインディアンの男の子 薪を割った
 1人が真っ二つになって 6人が残った

6人のインディアンの男の子 蜂の巣で遊んだ
 1人が蜂に刺されて 5人が残った

5人のインディアンの男の子 訴訟を起こした
 1人が裁判所にいって 4人が残った

4人のインディアンの男の子 海に出かけた
 1人がニシンに飲まれ 3人が残った

3人のインディアンの男の子 動物園にいった
 1人が熊に抱きつかれ 2人が残った

2人のインディアンの男の子 日光浴をした
 1人が熱で焦げて 一人が残った

1人のインディアンの男の子 一人ぽっちになった
 そして自分で首をくくって 誰もいなくなった

マザーグース「10人のインディアン」より

 

次の映画はそして誰もいなくなったです。70年以上前のモノクロ映画です。

原作は有名なアガサ・クリスティーの小説です。

基本は原作通りなのですが、色々と異なることはあります。

それは下のネタバレのところに詳しく。

 

何よりも古い映画だからなのか、私がそういうものが好きだからなのか、

もう淡々と話が進んでいきます。

現代の連続殺人のドラマやアニメとは比べようのないくらい淡々と。

殺されるシーンは全くありません。

 

みんなで談笑→あれ、あの人がいない!まさかっ!

→みんなで部屋に移動→し、死んでるっ! な感じです。

キャーキャー叫んだり、大声で怒鳴りあったりのシーンも少なく、

淡々と進んでいきます。

どこか優雅な雰囲気なのですよね、殺人事件が起きているのに。

 

冒頭では島に小舟で10人+船頭が乗り付けるシーンなのですが、

5分くらい台詞もなく、淡々と全員の様子が流れていきます。

そこでなんとなくこの人たちの関係が伺い知れます。

  

モノクロなので、夜のシーンは観辛いですし、

音響も古い映画なので良くはないですが、

とにかく全体を通じて映画の雰囲気がいいです。

 

 

ここからネタバレ注意

映画の性質上、結末にかかわる重要な秘密も語っております。

 

 

 冒頭からどんどん人が殺されていくのですが、

上でも書いた通り殺されるシーンは1回あるくらいかな。

毒殺と圧死くらいです。死体も足だけ映っていたり、

ベッドで布団から手が垂れていたりする程度です。

 

お互いが疑心暗鬼になるシーンもありますが、

協力した方がいいと判断してみんなで行動します。

2人でいるのが一番危険で、むしろ1人の方が安全

という行動理論となって全員でまとまって行動するので、

画面がパッパッと切り替わって他の人の状況という場面も少ないです。

 

犯人は原作同様に判事。殺されたと見せかけて実は生きており。

そして女性ともう一人が芝居を打って犯人を欺き、見事に生還します。

ただ、殺した動機や方法なども特別語られることもなく、

ここでも淡々と判事が服毒自殺をし、物語は終わります。

 

全体を通して感じたのは、映画を観ているというよりは、

演劇、舞台を観に行っている感じがとても強いです。

第四の壁を通して間近で観ているような気になっていました。

ドラマチックな展開が乏しいのに、先が気になってくるんですよ。

次に誰が殺されるのか、というよりこの後どうなるのか、という感覚が。

似ているようで微妙に違うのですが、展開が気になってきます。

 

この映画は犯人捜しをする映画ではないです。

犯人につながる物事や事象がこちら側に提示されることは特にありません。

伏線がどう、とかそれぞれの人々の醜い人間関係が、なんてこともありません。

現代ではとかくそういったものが重要視され、嫌でも見させられるのですが、

そういうものがあまり好きではない私にはとても素敵な映画として観られました。

 

なんの因果か、今夜Youtubeで放送するようなので、お時間のある方はぜひ。

 

個人的に良かったシーン

 やさぐれる男性使用人