バンドネオン
みなさんはどんな楽器が好きですか?
わたしは情熱を感じるフラメンコギター
荘厳さを感じるパイプオルガン
そしてどことなく憂いを秘めたバンドネオンの音色が好きです。
アコーディオンに似た、まったく違うこの楽器。
1/6の日曜日、ある映画を観に行きました。
恥ずかしながら私は初耳でした。
バンドネオン奏者であり、従来からったタンゴの概念を壊し革命を起こした
アストル・ピアソラの生涯を家族の証言や多くのビデオやレコードから再構築した映画です。
それまでは「踊るタンゴ」であったものを「聴くタンゴ」とし、
聴く者も演奏する者も楽しめるように革命を起こしたピアソラ。
様々な迫害や失敗がある中その信念は固く、最終的には世界的に認められるようになります。
正直言いますね。
私のような彼のことを全く知らない人間からすると、ついていけない部分が多い映画です。
知らない人間にはそこまで優しく丁寧に解説を入れてくれるわけではありません。
ピアソラの幼少期からその人生を追っていくのですが、
最初は人物関係や誰が誰に対しての話なのかが明確になっておらず、
少しウトウトとしてしまいました。
だんだんと話が進んでいくと、ピアソラの映像とその演奏が多く映り、
またドラマチックな話の流れが出てくるので、理解ができのめり込めるようになります。
何といってもこの映画の魅力は全編で流れるバンドネオンの演奏です。
多くのバンドネオンの曲が流れ大変心地よく、大変ステキな調べが聴けます。
憂いを含んだ少し悲し気な音色のバンドネオン。
ピアソラの波乱万丈な人生とその気持ちを汲んだかのような音色が
より映画に深みを与えているようです。
ドキュメンタリー映画であり、実在した人物の人生の物語なので、
そこまで大きな動きがある映画ではありません。
また出てくる人物もピアソラとその家族以外はそこまで重要な人物もいないので、
映画としては正直退屈感が否めません。
ただ、バンドネオンの音色が好きな方、また私と異なりピアソラのことを御存じな方は
是非見て頂きたい映画です。